ＣＲ計測委員長　　　荒川　渡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2001/3/07
　
クラスルールとか、計測、登録、とか聞くと、何かむつかしくて、できればさけて通りたいと思っている人が多いと思います。自由に海を走り、レースするのはおもしろいが、むつかしいことをかってに決められて、守れと言われるのはうっとうしいと思うでしょう。車でもスピード違反でつかまるのはいやですが、もし道路交通法がなければ、危なくて外を歩けません。ＯＰの世界も、うまくやっていくためには守らねばならないきまりがあります。その仕組みとか、なぜ、そうしているのかを考えてみましょう。

１.システムの指針
登録とは、艇登録（ハル、セール、マスト、ブーム、スプリット、ラダー、ダガーボードを１セットとして登録する事）の場合のみ登録の意味として使用し、個々の艤装品の管理は、登録の名を使わず、記録とします。

●レジストブックとは？　
正しくは、レジストレーション＆メジャーメント　ブックと言います。つまり、登録と計測の、別々の種類のものが一つになった本と思って下さい。まず一度頭の中でこの二つを切り離してください。
●艇とは？
セーリングができるまで仕上がったＯＰです。ここでは計測証明書のいる７つの部分がそろっている事を言います。
●ハル、セール、マスト、ブーム、スプリット、ダガーボード、ラダーとは？　
艇を各証明書の単位で７つのバラバラにした状態です。どれが一つ欠けても艇にはなりません。
●登録とは？
７つの証明書がそろった時に、はじめて一つの艇として登録します。各艤装品単位では登録しません。
●計測とは？
ＯＰ艇を７つの部分に分けて、それそれがクラスルール通りになっているかを調べます。その部分が合格していればその部分だけの計測証明書を発行します。現在ハルは外国で作り、外国で計測してから輸入します。それ以外の部分は、普通は、たとえ外国製でも輸入してから日本で計測しています。
●登録の方法は？
レジストブック１枚目のハル建造者の申告書と国際クラスの登録料の領収書が必要で、これが登録証となります。またハルには国際クラスの登録番号を書いた板（これをプラークと言う）が貼ってなければなりません。しかし、これだけでは、そのＯＰ艇はクラスルール通りになっているかわからないので、登録するために７つの証明書をつけてルール通りになっていることを証明します。
●ここでひとこと注意！　
証明書はその名前の通り、艇の状態を証明するもので１セットあれば十分です。それを登録証と一緒にホッチキスでとじたものがレジストブックです。　
●スペア艤装品って？
でも１セットだけではオーナーは不安ですね。「もしもレースでこわれたらどうしょう。」それで予備の艤装品を用意する人がいます。でもそれを登録する必要はありません。なぜなら、登録はもう終わっているからです。 そしてスペアの艤装品の証明書をホッチキスの針をこじあけてレジストブックに差し込む必要もありません。レジストブックにはそのために最後のページに差し込むポケットがついています。これを「クリアポケット」と呼んでスペア艤装品の証明書を入れておく場所なのです。
●知らないうちに艤装品がたくさん増えてしまった、どうしよう？
心配要りません。どうせレースでは１セットしか使用を許されておりません。たくさん持っているうちの、いいものだけを（使う予定のものだけを）クリアポケットに入れて、あとは家にしまっておいてください。
●次のレースのためにニューセールを新調した場合
ニューセールをスペアとして使用してください。レジストブックにとじた証明書と差し替える必要はありません。
●差し替えとは？
最初に登録した時に使用した証明書を移動する事です。レジストブックにとじた証明書の艤装品が、こわれたり。役に立たなくなったり、誰かに売ったりした時は、登録した時点の条件が変わってしまいます。その時は、スペア艤装品の証明書とレジストブックにとじてある証明書を入れ替えてください。そして、艤装品を他人に渡す時は、必ずその証明書をつけて渡してください。この時、もう一つ忘れないでほしいのは、私（計測委員会）に連絡する事です。そして差し替えた証明書をFAXかメール画像か、郵便で送ってください。こちらのパソコン登録も差し替えします。
・・・つづく